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OSI参照モデル:7つの階層を解説

更新日 2026-11-04

OSI参照モデルは、ネットワーク通信を物理的なケーブル(第1層)からアプリケーション(第7層)までの7つの階層に分けたものです。各層の役割は1つで、直上と直下の層とだけやり取りします。このモデルは学習とトラブルシューティングのための道具であり、実際のインターネットは、より単純な4階層のTCP/IPモデルで動いています。

7つの階層

送信側では、データが上の層から下の層へ順に渡され、各層が自分のヘッダーを付加します。これをカプセル化と呼びます。受信側では、逆の順序でヘッダーを取り除きます。各層でのデータの単位をPDU(プロトコルデータユニット)と呼びます。

層名称PDUプロトコルの例代表的な機器
7アプリケーション層データHTTP, DNS, SMTP, SSHプロキシ、アプリケーションファイアウォール
6プレゼンテーション層データTLS(一部)、文字コード、MIME-
5セッション層データRPC, NetBIOSセッション, TLS(一部)-
4トランスポート層セグメント(TCP)またはデータグラム(UDP)TCP, UDPファイアウォール、ロードバランサー
3ネットワーク層パケットIP, ICMP, OSPFルーター、レイヤー3スイッチ
2データリンク層フレームEthernet, Wi-Fi (802.11), ARPスイッチ、アクセスポイント
1物理層ビットEthernetケーブル、光ファイバー、無線ケーブル、ハブ、リピーター

OSIとTCP/IPの比較

TCP/IPモデルは4階層で、プロトコルが実際に作られた方法に沿っています。対応関係はおおよそ次のとおりです。

TCP/IPの層対応するOSIの層
アプリケーション層7, 6, 5
トランスポート層4
インターネット層3
リンク層(ネットワークアクセス層)2, 1

教科書によっては、リンク層をデータリンク層と物理層に分けて、TCP/IPを5階層で示すこともあります。現場では今でも「レイヤー2スイッチ」「レイヤー7ファイアウォール」のようにOSIの番号で呼ぶため、両方を知っておくと便利です。

Webサイトを開くときに起こること

ブラウザーにhttps://example.comと入力した場合を考えてみましょう。

  1. 第7層:ブラウザーはアドレスが必要なので、example.comのDNSクエリを送信します。その後、HTTPリクエストを送ります。
  2. 第6/5層:TLSハンドシェイクで暗号鍵をネゴシエーションし、サーバー証明書を検証します。
  3. 第4層:TCPが3ウェイハンドシェイク(SYN、SYN-ACK、ACK)でポート443への接続を確立し、データをセグメントに分割します。
  4. 第3層:IPがパケットに送信元と宛先のアドレスを入れ、ルーターがホップごとに転送します。
  5. 第2層:各リンクで、パケットはMACアドレスを持つフレームに入れられます。IPv4ネットワークでは、ARPが次のホップのMACアドレスを調べます。
  6. 第1層:フレームは電気信号、光パルス、または電波に変換されます。

サーバー側では、同じ手順が第1層から第7層へと逆順に実行されます。

各ツールはどの層を調べるのか

ネットワークのチェックは、ある層までが正常に動作していることを証明するものです。次の表は、当サイトの各ツールがどこに位置するかを示します。

ツール層確認できること
Ping3 (ICMP)ホストにIPレベルで到達できるか、往復にかかる時間
Traceroute3経路上のルーターと、遅延やロスが始まる場所
ポートチェッカー4 (TCP)指定したポートへのTCP接続を開けるか
SSLチェッカー6/5(第4層の上)TLSハンドシェイクが動作し、証明書が有効か
HTTPヘッダー7Webサーバーが応答するか、返すステータスとヘッダー
DNSチェッカー7ネームサーバーが期待どおりのレコードを返すか

注意が必要な点が3つあります。

  • TLSは1つの層にきれいに収まりません。OSIモデルでは第6層(暗号化とプレゼンテーション)に置かれることが多く、第5層(セッション)とされることもあります。TCP/IPモデルでは、TCPの上で動作するアプリケーション層の一部にすぎません。トラブルシューティングでは、TLSがTCPの後、HTTPの前に動作することを知っていれば十分です。
  • 正常に動いているホストでもPingは失敗することがあります。多くのファイアウォールがICMPエコー要求を破棄するため、Pingの失敗が必ずしもホストのダウンを意味するわけではありません。ポートも合わせて確認してください。また、TracerouteはIPパケットのTTLフィールドとICMP time-exceeded応答を利用しており、応答しないルーターは出力の中で空白として表示されます。
  • DNSは第7層で動作します。他のあらゆる通信の前に必要になりますが、層としてはアプリケーション層です。通常はUDPポート53を使い、大きな応答やゾーン転送にはTCPポート53を使います。

下位層から順に調べるトラブルシューティング

確実な方法は、第1層から始めて上へ進むことです。各ステップで、原因の候補を一群まとめて除外できます。

  1. 第1層:ケーブルは接続されていますか。Wi-Fiはオンですか。リンクランプは点灯していますか。
  2. 第2層:機器はスイッチまたはアクセスポイントとリンクしていますか。VLANは正しいですか。MACアドレスの重複や、Wi-Fiパスワードの間違いがないか確認します。
  3. 第3層:機器は有効なIPアドレス、マスク、ゲートウェイを持っていますか。ゲートウェイにPingを送れますか。次に192.0.2.1のような外部のアドレスにはどうですか。経路の途中で失敗する場合はTracerouteを使います。アドレス設定でよくある間違いについては、IPアドレスとはとサブネットの記事をご覧ください。
  4. 第4層:ポートは開いていて、ファイアウォールに遮断されていませんか。主要なポート番号を参照してください。
  5. 第5〜6層:TLSハンドシェイクは成功しますか。証明書の期限切れ、名前の不一致、非対応のプロトコルバージョンがないか確認します。
  6. 第7層:名前は解決できていますか。アプリケーションは正しい応答を返していますか。

実際には、上位層から調べる方法や、中間でいったん切り分ける方法もあります。ポートチェックが成功すれば第1層から第4層は問題ないので、アプリケーションに集中できます。

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